「20代で3回の転職は多すぎる?」「転職回数が原因で不利になるの?」と不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
20代で1〜2回の転職をすることは決して珍しくありません。一方で、3回目以降になると企業は「なぜ転職を繰り返しているのか」をより慎重に確認するようになります。
ただし、転職回数だけで合否が決まるわけではありません。企業は退職理由やキャリアの一貫性などを総合的に見ているため、適切な対策ができれば転職活動を有利に進めやすくなります。
本記事では、20代の平均転職回数や「何回から多いと見られやすいのか」を解説したうえで、転職回数が多い場合に企業が見ているポイント、ケース別の対策、面接での伝え方を紹介します。
20代の転職回数は何回からが多いとみなされる?

20代の転職回数を判断するときは、平均回数だけでなく、年齢や在籍期間、転職理由をあわせて見ることが大切です。
同じ転職回数でも、20代前半で短期離職を繰り返している場合と、20代後半でそれぞれの会社で経験を積んでいる場合では、企業からの見られ方が変わります。
まずは20代の転職回数の実態を確認したうえで、3回以上の転職がどのように見られやすいのか、転職回数が多い場合に企業が注目するポイントを解説します。
20代の転職経験者の平均転職回数は1.8回
株式会社リクルートの「就業者の転職や価値観等に関する実態調査 2022」によると、20代の転職経験者の割合は4割弱と、20代ですでに転職する人が一定数いることが分かります。
また、20代で転職を経験している人の平均転職回数は1.8回です。20代の転職経験者のうち、転職回数が1回の人は62.6%、2回以上の人は37.4%という結果が出ています。
この結果からも、20代で1〜2回の転職は決して珍しいものではありません。給与や働き方の改善、キャリアアップなどを目的に転職する20代も多くいるため、2回目の転職を考えている時点では過度に不安を感じる必要はないでしょう。
大切なのは、転職したい理由や転職して実現したいことを整理しておくことです。
3回目以降は退職理由やキャリアの一貫性を見られやすくなる
20代で3回目以降の転職になると、企業側は「なぜ転職回数が多いのか」という背景を確認する傾向があります。
転職回数が増えるほど、「今回も短期間で退職するのではないか」「キャリアの軸が定まっていないのではないか」と懸念するためです。
しかし、営業の経験を積むために複数社でキャリアアップしているケースであれば、一貫性があると評価される可能性があります。一方で、職種や業界を頻繁に変えている場合は、転職理由を詳しく聞かれることも少なくありません。
採用担当者が見ているのは、これまでの転職に納得できる理由があるかどうかです。転職回数が3回以上ある場合は、キャリアの軸や転職理由を説明できるように準備しておきましょう。
20代前半と後半では同じ転職回数でも見られ方が変わる
転職回数は同じでも、20代前半と後半では年齢によって企業からの見られ方は変わります。
20代前半で転職回数が2回ある場合は、短期間で転職を繰り返していると見られる場合があるでしょう。1社あたりの在籍期間が短いケースも多く、企業は早期離職のリスクを懸念しやすくなります。
一方、20代後半で転職回数が2回の場合は、それぞれの会社で数年間経験を積んでいる可能性もあります。そのため転職回数そのものよりも、経験やスキルの内容が重視される傾向があります。
企業が見ているのは単純な転職回数ではありません。年齢や在籍期間も含めて総合的に判断されるため、転職回数だけで不安になるのではなく、説明すべきポイントを整理しておくことが大切です。
20代で転職回数が多いと不利になりやすい理由

20代で転職回数が多いからといって、必ずしも不採用になるわけではありません。ただし、転職回数が多いほど、企業側が採用に慎重になる理由はいくつか存在します。
転職回数そのものが問題になるのではなく、採用後の早期退職リスクや職場への適応能力を懸念しているためです。
ここでは、企業が転職回数の多い応募者を見るときの懸念点を確認しておきましょう。
早期退職のリスクがあるから
企業が気にするのは、入社後にすぐ辞めてしまうリスクです。
採用活動には、求人の掲載費や面接工数、入社後の研修など多くの時間と費用がかかります。そのため、企業はできるだけ長く活躍してもらえる人材を採用したいと考えています。
たとえば、1年未満の転職を何度も繰り返している場合、「今回も同じようにすぐ退職するのではないか」と懸念される可能性があります。
労働環境の問題や会社の倒産などやむを得ない事情がある場合は、面接で正直に伝えるようにしましょう。
企業は、転職の経験をどのように受け止め、次に活かそうとしているのかを重視しています。
職場環境への適応能力に不安を感じるから
転職回数が多い場合、職場への適応力を心配されることもあります。
特に1社での在籍期間が短いと、「新しい環境に馴染むのが苦手なのではないか」「人間関係に問題があるのではないか」と考えられるためです。
ただし、人間関係が原因で退職したこと自体が、必ずしも問題になるわけではありません。過去の経験から何を学び、どう改善しようとしているのかを説明できれば、マイナス評価を抑えやすくなるでしょう。
キャリアに一貫性がなさそうだから
企業は応募者の将来性を判断するために、これまでのキャリアの流れを確認します。
転職のたびに業界や職種が大きく変わっている場合、採用担当者は「入社後にどのような活躍が期待できるのか」を判断しにくくなります。
企業が転職回数を気にするのは、単に職歴の数が多いからではありません。これまでの経験が応募先の仕事にどうつながるのか、入社後に長く活躍できるのかを確認したいからです。
企業が見ているのは職歴の数ではなく、過去の経験から現在に至るまでのつながりです。
ただし回数だけで不利になるわけではない
ここまで、転職回数が多い場合の懸念点をいくつか紹介しましたが、実際の採用現場では回数だけで合否が決まるわけではありません。
転職回数より、退職理由や仕事への向き合い方を重視しているケースも多いためです。
たとえば、3回以上転職していても、それぞれの職場で成果を出しながらスキルアップしている人は評価される可能性もあります。
実際、求職者自身が思っているほど企業は回数そのものを重視していない場合もあるため、自分の感覚と企業側の評価にズレがないか整理してみることが大切です。
次の章では、こうした懸念を払拭し、評価につなげている人がどのような伝え方をしているのかを見ていきましょう。
20代で転職回数が多くても評価される人の特徴
転職回数が多いと不利になる可能性はありますが、転職回数が多くても内定を獲得している人はいます。
その違いは、企業が感じる不安を解消できているかどうかです。
評価されやすい人に共通するのは、短期離職の理由を説明できる人や、これまでのキャリアに一貫性がある人です。
ここでは、企業の感じる懸念ごとの対策を解説します。
短期離職の理由を説明できる
短期離職した経験がある場合は、退職に至った事情だけでなく、そこから何を学び、今後どう活かすのかまで整理しておきましょう。
たとえば、前職での仕事内容が求人に記載されていた内容と大きく異なっていた場合でも、その事実を伝えるだけでは評価につながりません。
「長く活躍するのが難しいと考えた」「本来のスキルを発揮したかった」など、次につながる理由として説明できれば印象は変わります。
短期離職の理由を伝えるときは、「辞めた理由」だけで終わらせず、「同じ失敗を繰り返さないために、次の職場では何を重視するのか」まで伝えることが大切です。
前職での学びや改善行動を説明できる
人間関係や職場環境が理由で退職した場合は、不満だけを伝えないように注意しましょう。
たとえば、上司との認識のズレに悩んだ経験がある場合、「事前に方向性や完成のイメージを擦り合わせるようにした」「定期的な報告を心がけた」といった改善のためにした行動を説明できれば、主体性のアピールにつながります。
転職理由だけではなく、問題解決に取り組んだ過程や工夫したことも整理しておきましょう。
キャリアに一貫性がある
転職回数が多い場合は、これまでの経験に共通するスキルや考え方を見つけておくことが大切です。
たとえば、営業職から販売職を経てITエンジニアを目指す場合でも、顧客課題の解決を軸に取り組んできた場合は、一貫したキャリアとして説明できます。また、接客、営業、カスタマーサポートなど職種が変わっていても、顧客対応力や提案力を軸に説明できる場合があります。
これまでの経験に共通点がないかを振り返り、自分なりのキャリアの軸を言語化しておくことが大切です。
転職理由を前向きに話せる
転職理由を伝えるときは、前職を辞めた理由ではなく、次の職場で何を実現したいのかを前向きに説明することが大切です。
たとえば、「人間関係が悪かったから辞めた」という伝え方よりも、「チームで協力しながら成果を出せる環境で経験を積みたい」と伝えた方が将来のビジョンが伝わります。
また、「仕事内容が合わなかった」という理由も、「より〇〇の経験を深められる環境で成長したい」と言い換えることで、前向きな転職理由として伝えやすくなります。
転職は過去の不満を語る場ではなく、今後のキャリアを語る場だと考えてみましょう。
スキルや実績をアピールできる
転職回数が多い場合ほど、スキルや実績を具体的に伝える必要があります。
特に営業職であれば売上達成率、事務職であれば業務改善の実績など、数字に変換できる客観的な成果があると説得力が増します。
ただし実績を伝える際は、前職の状況を知らない人にも伝わるように説明しましょう。課題の内容や行動の取り方、成果につながるまでの過程を具体的に伝えることが大切です。
特別な実績がなくても、担当業務や身につけたスキルを整理すれば、アピールできる強みが見つかる場合があります。
20代で転職回数に不安がある場合のケース別対策

20代で転職回数に不安を感じている人の中でも、抱えている悩みはそれぞれ異なります。
短期離職が気になっている人もいれば、異業界への転職を考えている人もいるでしょう。
そのため、転職回数が多い場合の対策は一律ではありません。まずは、自分が何に不安を感じているのかを整理したうえで、状況に合った準備を進める必要があります。
ここでは、短期離職・異業種転職・スキル不足の3つのケースに分けて、具体的な対策と面接での伝え方を紹介します。
短期離職が気になっている人の場合
短期離職が気になっている人の場合は、退職理由と過去に勤めた会社での学びの整理を優先して進めましょう。
退職した理由や当時の状況、同じ理由で再び離職しないために次の職場で大切にしたい働き方を説明できるように準備しておきましょう。
また、応募企業を選ぶ際は仕事内容や社風を事前に確認し、長く働ける理由を明確にしておくことも大切です。
【面接での伝え方の例】
- 「前職では上司とのコミュニケーションに課題を感じる場面がありました。
その際は報告や相談の頻度を増やし、認識のずれを減らせるよう改善に取り組みましたが、最終的には自分が長期的に目指したい働き方との違いを感じ、転職を決断しました。
この経験を通じて、課題が生じた際には相手任せにせず、自ら働きかけることの重要性を学びました。
今後も周囲と積極的にコミュニケーションを取りながら、チームに貢献していきたいと考えています。」
異業界や他職種を目指している人の場合
異業界や未経験職種への転職では、これまでの経験を応募先でどう活かせるのかを整理することが重要です。
未経験の仕事であっても、前職で身につけたスキルや経験が使えないわけではありません。
たとえば、営業経験がある人であれば提案力やコミュニケーション力、接客経験がある人であれば顧客対応力などをアピールできます。
なぜその業界や職種を目指すのかも含めて、転職理由に一貫したストーリーを作るのがポイントです。
【面接での伝え方の例】
- 「これまで営業職として働くなかで、お客様への提案を通じて課題解決していくことにやりがいを感じていました。
その経験を活かし、より深く企業の課題解決に携われるマーケティング職へ挑戦したいと考えています。
営業で培ったヒアリング力や提案力は、御社でも活かせると考えています。」
スキルや実績がなくて不安な人の場合
目立った実績がないと感じている場合でも、過度に心配する必要はありません。20代の採用では実績だけでなく、成長意欲やポテンシャルも評価対象になります。
たとえば、業務改善の提案を行った経験や資格取得に向けた学習、後輩指導の経験なども十分なアピール材料です。
まずはこれまで担当してきた業務を書き出し、日々の仕事の中で工夫したことや、周囲から任されていた役割を整理してみましょう。
【面接での伝え方の例】
- 「前職では、担当業務の中で常に改善を意識して取り組んできました。
具体的には、問い合わせ対応の手順を見直し、チーム内で共有することで業務効率化につなげた経験があります。
また現在は〇〇の勉強も進めており、入社後も継続してスキルアップしていきたいと考えています。」
自分のケースが当てはまるか判断に迷う場合は、専門家への相談も選択肢
なかには、「自分はどうアピールすればいい?」「何から始めればいい?」と迷う人もいるでしょう。
その場合は無理に転職活動を始めず、第三者と一緒にキャリアを整理するのも一つの方法です。
客観的な意見をもらうことで、自分では気付かなかった強みや価値観を言語化できることもあります。また、今の悩みの原因が仕事内容なのか、人間関係や働く環境なのかを整理しやすくなるでしょう。
相談した結果、「今の会社でもう少し頑張ってみよう」と考える人もいれば、「やはり環境を変えた方がよい」と気付く人もいます。
大切なのは自分が納得できる選択をすることです。
何となく今の働き方にモヤモヤする人や、このままでいいのか不安になる人も、まずは専門家への相談を通して考えを整理してみましょう。
20代は転職回数に不安があるなら、転職理由とキャリアの軸を整理しよう
20代で1〜2回の転職は珍しくありませんが、3回以上になると、選考では転職理由や一貫性のあるキャリアの説明が重要です。
ただし、企業が見ているのは転職回数そのものというよりも、過去の経験や今後のキャリアプランです。
短期離職が気になる人は退職理由と改善行動を、異業種や未経験職種を目指す人は活かせる経験を、スキルや実績に不安がある人は担当業務や学習姿勢を整理しておきましょう。
転職回数に不安がある場合は、焦って応募を進めるのではなく、自分の状況に合った対策を考えることが大切です。
自分だけで整理するのが難しい場合は、キャリア相談を活用しながら、大切にしたい働き方や価値観を整理してみるのもおすすめです。
